星沼会、大入選!

みなさん、お今晩は。だいこもんです。

2022年6月販売の天文ガイド、ご覧になりました? 星沼会の丹羽さんが撮影したオメガ星団と、そーなのかーさんが撮影した三裂星雲、掲載されてました。ここでもご紹介いたしますよ。

M20 撮影:そーなのかー

2022年4月2日撮影、VixenR200SS エクステンダーPH,EQ6R赤道儀、ASI294MMPro, 総露光4時間13分、宮城県神割崎
だいこもんの視点

 東北地方、山間部は雪の残る季節に撮影された三裂星雲です。この時期はまだ高度の低い天体ですから、撮影地の標高を稼ぎたいのは山々なところ。あえて、そーなのかーさんは沿岸部の神割崎でこの対象を撮影しました。当夜は私も隣で撮影していて、神割崎は大賑わいでした。低空まで透明度の高い良好なコンディションだったのを覚えています。そのためか淡い部分がよく出ています。
 「ちょっと青が弱い?」
あるいはそうお感じの方もいるかもしれません。天文ガイドの講評でも「色彩はもう少し濃いめに仕上げても良かったかもしれません」とありました。これについては「この領域は星間物質が多くレイリー散乱により全体は赤っぽくなるはず。PCCの出力したこの色が正しいと考え、そのまま処理しました。」そーなのかーさんはチャットで私にそう語ってくれました。
 天体写真において、青を出すのは常に難しいことです。この星雲の処理では周囲の青をいかに引き出すかが焦点となる—-多くの人はそう考えるでしょうし、私もそう思っていました。そこをあえてそうせずに、全体的に赤から茶色の強い仕上げにすることで、新鮮な三裂星雲が実現していると思います。

オメガ・ケンタウリ  撮影:丹羽雅彦

2022年1月31日~3月13日、タカハシFSQ-106N、ParamountME赤道儀、ASI1600MM、総露光20時間46分、チリウルタド渓谷
だいこもんの視点

 日本からは南の地平ギリギリにみえる巨大なオメガ星団。丹羽さんが望遠鏡を据えているチリの渓谷では天頂付近にまで昇ってきます。日本に比べてシーイングも段違いによく、晴天率も8~9割近い。そんな理想的な環境で撮影されています。それだけで他の追随を許さないのですが、驚くのがその露光時間です。こんなに明るい星団を1か月以上にわたって延べ20時間も露光するなんて・・なんて変態!
「それって意味あるの?」
皆さん疑われたかもしれませんし、私もはじめそう感じました。
 球状星団は球状をしてますので「半径」を持ちます。その大きさはストレッチすればするほど大きくなり、その上限がつかめない。以前にM13の画像処理をしたときに、私はそう感じました。このオメガ星団も、20時間の長時間露光だからこそ、f=530mm+フォーサーズセンサーの撮影でここまで巨大に映し出されているのかもしれません。中心部まで粒粒の構造が、青と橙に分かれて解像しているのも、見事です。

ひまわり銀河と恒星ストリーム 撮影:だいこもん&そーなのかー

だいこもんの視点
2022年4月2日ほか、CelestronRASA11″、ASI294MCなど、そーなのかー氏と合作、総露光804分

 最後はこの作品を供養。そーなのかーさんから援護射撃をいただいて、わたしが仕上げ、某雑誌に投稿しておりましたところ、ひっそりと落選していました。
 家族に頭を下げ2週連続で遠征し、現在の自分の撮影スタイルでは限界に近い800分の撮影時間を確保して中心部の解像と周辺を取り巻く淡い恒星ストリームの描出を目指しました。恥を忍んで申し上げれば絶対的な自信があったんですけど、難しいですねー。クヤシイ!

タイトルとURLをコピーしました