前置き
だいこもんです。
12月に星沼会が小山ダムに集まった際、私とNiwaさんはあらかじめ合作を計画していました。対象はM38とIC417、ぎょしゃ座の勾玉星雲付近からみて北西方向にある、こんなところです
カメラはASI2600mc-proが共通、私の鏡筒は15cmF2.8(SharpStar 15028HNT)、Niwaさんはレデューサを付けてF2.9相当とした15cmF4(ZWO CN15F4)です。つまりほとんど同等の条件で、同じ対象を撮影しました。前回、星ナビに掲載された「アイリス星雲付近」では、場所ごとに露光時間にムラがあったり構図を間違えたりで、そのへんを編集部に指摘されていました。今回は2名というのもあるのですが、その点を克服しております。
現場では
「中心座標、幾つでしたっけ?」
「Gainとoffset、どうしましょうか?」
「この風だと、露光は2分ってとこですかねえ。」
なんて、互いにやりとりしながら撮影を続けるのが楽しかった。風でガイド暴れて捨てコマが発生しつつも、お互いに100枚ほどのデータを確保できました。
おひとり様の結果
まずは、二人の結果を一緒にする前のそれぞれの画像をスタックして処理した結果をご覧ください。一枚目はワタクシだいこもん、二枚目がNiawaさんです:
志向する方向にはっきりした違いが見えて面白いです。
合作
次は、お互いにディベイヤー直後のデータを持ち寄って、トータル400分超のデータをスタックしました。下は画像の細部について、お一人様画像と合作後の画像を比較したもの。
背景のノイズは、合作によって明らかに滑らかになってます。一方で星雲の構造などがはっきりしているかどうかは、うーん微妙なところ。光条の方向はお互い45度ずらして8本にするのが合作の証、これが結構カッコよく気に入っています。
画像処理で悩む
(以下、似たような画像が続きます)
二人の結果を合わせた後、各自が後処理を行い、お互いに見せあったブラッシュアップを図る作戦です。これが非常に悩み多い作業になりました。まずは私だいこもんが処理した結果
色が全然違いますけど、スタック後のデータにかけたPCCの出力を信じました。つづいてNiwaさんが処理した結果
上記2枚の画像の比較検討を星沼zoom会議で行いました。周辺のカブリと淡いH2領域の区別とか、IC417周辺の青の表現とか喧々諤々と話し合い、疲労と酔いが高まっていきます。
誰かが言いました。
「なんか、足して2で割ればいいんじゃ?」
「そうですね、足して2で割ればいいような気がしますね」
ほかの誰かが続いて、それが結論になって会議はお開き。実際足して2割って見ますと
うん、悪くないような? 後日、全体の青のコントラストが低いような気がしてさらに修正して下の画像
よし、これでいいでしょう。とお互いに納得したのもつかの間。実はだいこもんが行っていたPCCによるカラーバランス調整がおかしかったことが判明して、とほほ・・・。再処理を行いました。それを再度Niwa氏の画像と足して2で割ります。その結果がコチラ
こんどこそこれでいいような気がします。でも念のため一晩寝かせて、あす冷静な目で見直した方がよさそうね。となりまして、この後結局さらなる修正がはいり、最終結果となります。
最終結果
改めて見直してみますと、処理が進むにつれてよくなったり悪くなったりしているような気がしないでもないですが、気のせいでしょう。とにかくこの領域、画像処理が難しかった。