星沼会合宿での合作天体写真報告

NGC1342をみんなで撮影しました

皆さま、おこんばんは。だいこもんです。

時が経つのは早いもので、もはや半年近くも前の話になります。茨城県高萩市で2泊3日で行いました星沼会の合宿、その晴天に恵まれた初日に4名で撮影しておりましたNGC1342の合作について、報告に上がりました。

NGC1342はペルセウス座の小さな散開星団です。有名なカリフォルニア星雲から東に5°ほど視線を動かした方向に見えています。周辺には薄く分子雲が分布していることから、合作による長時間露光に適した対象ではあるまいかと、直前のzoom会議で撮影対象に決定したのでした。Telescopiusで決めた構図はこんな感じでした。

「それでは皆様方、当夜はフルサイズ換算600ミリ程度の機材を用意いただいて、中心座標 RA 3h31m43s, DEC 37°38’32” あたりを撮影してくださいませ」

なんて、あらかじめ申し決めました。この合作に参加したメンバーは Aramis、そーなのかー、ぐらすのすち、そして私だいこもんの4名。露光時間はトータルで軽く30時間を超えたのです。合宿の終了後も手ごたえあって、「これは結果が楽しみ!」と勇んで処理に向かったのですが、実は問題がありました

画角バラバラではないか、このあんけらそ

蓋を開けてみますと、各自の撮影フレームがかなりズレていました

あらら。そういえば2021年の合宿で初めて合作をしたときも同じミスをしていました。これは気が抜けていたといいますか、当夜はこんな感じに浮かれてましたので、当然の結果だったのかも。

しかしそれ以外にも事情もありまして、そもそも皆の光学系の画角が微妙に異なるので、最終的に合わせこむのがなかなか難しいのですよね。そーなのかー・ぐらすのすちの両氏はモザイクですし、Aramisさんは中心座標は合っているのですが、画角が小さめでした。

これらをそのままスタックすると、境界が目立ってしまいそうです。

対策はありまして、モザイク合成が得意なソフトAstropixel ProcessorにはMultiband blendingという機能があります。これを使うと境界を目立たなくすることはできるのです。

こちらはAstroPixel Processorで処理した4名のデータをスタック後にPixinsightで仮ストレッチ(強)をかけた様子です。

モクモクした分子雲は出ていますけど、さすがに右上のつなぎ目が隠し切れませんでした。ここはマスクを作ってゴニョゴニョ修正したりして頑張りました。最終的な結果は以下の通りです

Date:2023-10-14
Location: Takahagi, Ibaraki
4名による合作:
so-nano-car:
R200SS + ASI294MC (Bin 1) + SVBONY L Gain 120, -10 (96, 119, 118, 119) 60 s (452 min)
Daikomon:
SharpStar15028HNT + ASI2600MC Gain100, offset 30, 180s x 169 (507min)
glasnost: Takahashi FC76 with Reducer + ASI 2600MC Gain100, 120s x 220 (440min)
Aramis: Sharpstar Z4+ASI2600MC(Bin1)+Sightron Comet BP filter Gain 100 Offset 50 300sec x 84 (420min)
Total exposure: 30.3h

合作では星像の異なる光学系を合わせるせいなのか、なんとなく星がぼってりする傾向があるような気がしています。それでも今回は中々の仕上がりになったのではと思います。

処理に当たっては、関西でちょうど同じ時期に同じ領域を撮影されていたブログ「星間雲形」のジュウザさんの画像を参考にしました。氏の素晴らしい作品も、あわせてぜひご覧ください

ペルセウス座の散開星団NGC1342からvdB18にかけて - 星間雲形 - SEIKANUNKEI.NET
散開星団を狙って撮ったことが無かったのですが、初めてちゃんと意識して撮りました。(*´▽`*)全体に広がる分子

それではまた!

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