Aramis氏、超大受賞|サイトロンジャパン天体写真コンテスト2024

TL; DR

良い子の天文市民の皆様、こんばんは。星沼会懲罰委員会のglasnsciです。間違えた。星沼会賞罰委員会のglasnsciです。今宵も嬉しいお知らせが一本ありますのでご紹介いたします。

Aramis氏が、サイトロンジャパン天体写真コンテスト2024において、大賞を受賞しました。受賞対象となった写真は、ケフェウス座分子雲とNGC6946です。同賞は、該コンテストにおいて星や天体をテーマとした最も優れた写真にたいして審査員三名の審議の上で贈賞されます。

コンテストについて

昨年開催した「サイトロンジャパン天体写真コンテスト2023」では多くの皆様から約320の力作をご応募頂きました。ありがとうございました。
2024年も「サイトロンジャパン天体写真コンテスト」を開催いたします。今回も皆様からの作品を幅広く募集いたします。下記、応募要項をお読みいただき、奮ってご応募ください。

サイトロンジャパン天体写真コンテスト2023 https://www.seibundo-shinkosha.net/tenmon/sightronjapanphotocontest2024/info.php

撮影対象について

タイトルになっておりますNGC 6949は、ケフェウス座やはくちょう座の方角に見える中間渦巻銀河の一つで、我々の住む銀河系から2250万光年離れているそうです。中間銀河は、棒渦巻銀河と非棒状渦巻銀河の中間の形態をとっている銀河のことを指すそうですね。また、Barnard 150は海外ではSeahorse Nebula(タツノオトシゴ星雲)として知られていて、1200光年先にあるそうです。

氏の作品ではNGC 6949とB150のコントラストもさることながら、画面全体に広がる分子雲ないし星間ガス(の議論についてはリンク先のコメントを是非一読いただきたいです)が濃密に描写されております。周囲に広がる星々の色も鮮やかに表現されておりますが、分子雲がある箇所・ない箇所で星の色がことなることから、分子雲を通ってくるとコントラストが下がる・星の光が減退していることがよく分かる表現で、分子雲や星の距離に思いを馳せたくなる作品です。

Aramis氏コメント

Aramis氏からは以下のようにコメントをもらっております。

昨年の「まゆ星雲」でのサイトロンジャパン賞に続き、今年はなんと大賞をいただいてしまいました。しかも「全会一致で推した」とのコメントまでいただき、身に余る光栄です。

今回使用した機材は三脚から赤道儀、鏡筒、カメラに至るまで友人から一式借り受けての撮影でした。高価な機材を貸してくれた友人にこの場を借りて感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。

そんな借り物のVSD90SSとフルサイズカメラを使って何を撮ろうかなと思いつつ星図を眺めていたところ、メインの対象2つがバランスよく左右に収まりそうだと思い狙ってみた次第です。撮影時は暗黒帯と銀河が淡く写っているだけでこんなの作品にできるのかしらと不安でしたが、処理してみると狙い通りの構図になってくれたの加え予想以上に濃い星間ガスが描出されてきて驚きました。

濃い星間ガスが漂う領域にもかかわらず、Barnard 150と比較して遥か遠方にあるNGC 6949の周辺だけは銀河を避けるようにぽっかりと穴が開いているように見えるのもとても興味深い構造だと感じました。

不自然なカラーバランスにならないこと、星間ガスと銀河を両立させることの2点に特に注意を払って画像処理に臨みました。カラーバランスは何度も微調整を繰り返し、星間ガスと銀河はマスクを工夫することでどうにか作品として完成させることができました。

2025年2月開催の「CP+2025」で印刷されたものを見るのが楽しみです。

おわりに

本作品は、「月刊天文ガイド」(誠文堂新光社刊2024年11月5日発売号)に掲載されています。
また、カメラと映像のワールドプレミアショー「CP+2025」のサイトロンジャパンブースにて展示予定です。みなさま、今年もぜひ会場でおあいしましょう。

天文ガイド 2024年12月号 | 株式会社誠文堂新光社
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