丹羽です。今日は2025年6月21日の夏至の話を。
夏至は古くから神聖な時間です。
写真家で現代美術家の杉本博司氏は次のように語っています。
「悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。そしてそれがアートの起源でもあった。新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分と秋分。天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。」https://www.odawara-af.com/ja/enoura/
今年の夏至は一部の界隈では、「夏至点の瞬間に、皇居と太陽が重なる」と話題になっていました。
夏至というのは、一年で一番、昼間の長い日です。その中でも太陽の赤道面から最も地球が離れた瞬間を夏至点といいます。

その瞬間に、地球上でも皇居の位置が(正しくは皇居を通る経線上が)太陽に向かっている南中にあたり、世界で一番、太陽が高く昇っているというわけです。
「そんな大袈裟な」
私はそう思いました。実際には、日本が夏至点の瞬間に太陽に向いているくらいかなと思っていました。実際、ネットで調べても「皇居が重なる!」と盛り上がっているのは、スピリチュアルや都市伝説界隈が多く、天文界隈ではそんな声は聞きません。国立天文台にもそんな情報はありません。
「やっぱり盛り上げすぎかな・・」
しかし念の為、星沼研究所のだいこもん研究員にリサーチを依頼しました。すると驚くべき回答が・・・
「少なくとも30秒くらいの範囲で、もしかしたら2秒くらいの誤差で皇居に一致しています。」
±30秒ですと20kmくらい。2秒ですと1kmちょっとの幅で、皇居が入っているというわけです。上の絵で言うと赤い線の幅が1kmくらいということです。
「なんと・・」
ちゃんと調べてみるものです。2025年6月21日は歴史的な日だったかもしれません。
<補足>
だいこもんの説明はこうです。
2025年の夏至はUTで2:41 (2:42という話もある)
明石と皇居の時差を計算すると、11:41:00からは±2秒以内の誤差で12:00:00となる。ただし30秒くらいずれている可能性もある。
とのことでした!